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ハワイ解剖学研修 2010年3月


今では、すっかり恒例となった浪越学園・日 本指圧専門学校主催によるハワイ解剖学研修。浪越学園理事長浪越和民先生のご好意により、3年程前からカナダ指圧カレッジのスタッフ及び学生もこの貴重な 機会に参加できる事となり、今年はカナダ指圧カレッジから、Lona Levequeさん、小竹利範さん、増田敏也さん、西 塔 香奈子さん、小山真由美さ ん、Guillaume Nogueさん、そしてカナダ指圧カレッジ創始者・池永清 先生が参加する事となりました。同研修に参加した学生からレポート提出いただきましたが、その内容からは、研修の素晴らしさが手に取るように伝わってきま す。

指 圧ボランティアの前の
オープニングセレモニーの様子
ボ ランティア会場のエントランスで
右からKiyoshi先生、Lona、Guillaume
指 圧奉仕活動の様子
右からToshiyaさん、Kanakoさん、Lona

ハワイ州立大学医学部での解剖学学習レポート

Lone Leveque


解剖学研修における今回のハワイへの旅は、本当に 楽しく、また興味深いものでした。先生方はとても知識が豊富でやさしく、加えて親しみやすいかたばかりで、とても多くの事を学ぶ事ができました。また研修 設備などもとても素晴らしく、朝食や昼食も全てフリーで準備されていた事には驚きました。このような環境の中、私は気持ちよくこの研修に望む事ができまし た。また日本指圧専門学校やハワイ愛泉指圧学校の学生との出会いも忘れる事の出来ない思い出の一つです。お互い指圧師を目指す者同士、お互いの技術を高め あったり、深め合ったりする事ができ、滞在中にハワイ愛泉指圧学校へ訪問する事は私の一番の楽しみでした。幸運な事にハワイ愛泉指圧スクール校長因泥文彦 先生からも指圧について色々な事を教わりました。私はフランスから指圧を学びにカナダへ来ていますが、フランスの医学部の学生が同様の体験をるためには、 最低でも5年の年月が必要だと聞いていますので、私はこの解剖学研修に参加できた事を本当に幸運だと思っています。最後に、この研修を主催された日本指圧 専門学校そしてハワイ愛泉指圧学校、またこのような機会を提供してくださったカナダ指圧カレッジのスタッフの方々に心よりお礼申し上げます。

小 竹 利範


初めめに貴重な人生 を終えて、自らを学習の為に献体なされました故人のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に深く感謝致します。そしてこの解剖実習に 参加させて頂いた事、この実習の企画、実行に関わった先生方、また携わった全ての人々に感謝致します。
私達カナダチームは男性の献体を担当しました。解剖はまず上肢の背中の剥皮から始まりました。その献体は皮下脂肪が薄く、皮静脈や皮神経を残して剥離する のに苦労しました。それが終わると、次に皮下脂肪除去をしました。神経と血管を切り離しながら脂肪を取り除く作業は大変でした。隣の献体は女性の方で、皮 下脂肪が男性より多く脂肪を取り除く作業はより大変そうでした。細い神経は切れ易く、注意を払わねばなりませんでしたが、それ以外の神経は白くてしっかり としていました。静脈は青紫色で平べったいものであり、そして動脈は赤く筒状で弾力がありました。こんなに様々な血管や神経が張り巡らされているのを間近 で見て、人の体の構造につくづく感心致しました。また脂肪を取ると筋膜が現れました。筋膜は少し硬かったです。その筋膜の下に筋肉が現れ、筋肉の走行や境 がわかりました。僧帽筋や三角筋、広背筋、また上腕筋などが確認できたときは感動しました。
二日目の胸部の解剖では、心臓の向きや位置、大動脈の太さ、肺や横隔膜など確かめたいことが多くありました。心臓においては最初、どこが心房で心室なのか よくわかりませんでしたが、一つ一つ血管の走行を確認していくと、それらの位置がつかめることができました。また血液の逆流防止の為にある静脈弁を触った 時や、肺がスポンジのような質感であったことに驚きました。下肢では人体の中で最も面積の広い筋肉である大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋など複数 の筋が収縮・弛緩して下肢を動かしていることが見て触れて理解することができました。また臀部では大臀筋、中臀筋、小臀筋による三層で構成されている筋肉 の下に坐骨神経を確認することが出来た時は、またさらに感動しました。それは平べったく、厚い神経の集まりでした。私達指圧師は浪越ポイントとして坐骨神 経を狙って、指圧をしているのだなと改めて思いました。腹部では、腹直筋、外腹斜筋、腹横筋の四つの筋が腹部前面にあり、この四つの筋をめくると、教科書 と同じく黄色い大網が広がっていました。さらにその下に腹部臓器が整然と配置されており、とても興味深いものでありました。
四肢の筋肉の構造はとても合理的で興味深いものであり、血管、神経、筋肉の走行を確認するのに夢中になってしまいました。学校の坐学で学んだことでもあり ましたが、実際に見て触れることは、驚きと発見の連続であり、俄然、それらの印象がまた違いました。
最終日では、脳を解剖し、大脳、中脳、小脳、間脳、脳幹などに触れて、人の行動の中枢である脳の機能にさらに深く関心いたしました。
献体で使われているホルマリンの匂いに、たびたび手こずったりもしましたが、先生方の親切・丁寧なご指導、またとても面白い説明により、皆さんと協力し あって充実した実習となりました。二日間という短い期間でしたが、この解剖実習を通して人体構造を立体的に理解を深めることが出来て、本当に参加してよ かったです。自らメスを取り解剖をしていくというのは、本当に貴重な体験でした。日本ではまず機会がないと聞いている、このような解剖実習に参加したこと は、これから指圧師として医療に携わろうとしている私にとってとても有意義なものになりました。
学校の座学で習うより実際解剖してみるのとでは、これほどまでに違うものなのかと感心しています。リアルな筋肉は臓器または細い神経や血管などの構造や感 触に触れて、その一つ一つが生きていくために大切な役割を果たしているということを改めて感じました。そして人体の構造は複雑にできているということを改 めて認識しました。また生きているということがとても神秘的で大切なことであるということを実感しました。この経験を基に指圧師としてまた日々励んでいこ うと思います。

増田 敏也


3月20日 ハワイ解剖学研修第一日目
いよいよ解剖学の第一日目が始まりました。検体を見る前にご本人にはもちろんのこと、ご協力していただいた方すべてに対して感謝と尊敬の念を込めて黙祷を ささげました。そして、検体にかぶせてあるカバーが取り外され解剖が始まりました。実際の人間を解剖するので初めは緊張しました。各テーブルに専門のス タッフと通訳がつき、解剖の仕方や各臓器の説明をしてくれました。最初にメスで皮膚をカットして切り開いた時は、どうにも表現しがたい感じがしましたが、 そう簡単に得られる体験ではないという思いが強く、それに指圧師を志す者として人間の体の構造には興味がありましたので次の瞬間には解剖に見入っていまし た。最初は皮膚の構造を中心に見て、次に神経や血管、その他の臓器を見ていきました。私達の検体は、生前腎臓がんを患っていたらしいのですが、それとは別 に肝臓がとても肥大していて病気を患うと体の中はこのように変化しているというのよく解りました。朝から夕方までぶっ通しで行いましたが、あっという間に 過ぎていきました。
3月21日 ハワイ解剖学研修第二日目
さて、二日目ですが、二日目も同じ検体を今度は背中側から解剖をしました。背骨を解剖するときは特別な道具が必要でとても大変でした。それだけ背骨という のは人体には重要な部分でとても頑丈に造られているというのを実感しました。そして、脳も全て見ることができました。大脳や小脳など細かく解剖をすること ができましたが、とてもこれらに記憶を保存する機能や考える機能があるとはにわかに信じがたいもので、これらの構造や機能を最初に調べた人たちの凄さが身 にしみてわかりました。最終的には、人体のほぼ全て見ることができたのですが、私達の体はたくさんの臓器で成り立っているため、たった二日間でそのすべて を細かく見ていくのは難しかったのですが、とても濃密な二日間を送ることができました。実際の人間の解剖に参加して感じたことは、人間も他の動物も基本そ んなに変わらないということをよく感じることができました。とかく、人間は考えてしまいがちですが、同じ物質から成り立ち同じ構造(もちろん、違う部分も あります)をしています。今、バンクーバーで指圧の勉強をしていますが、バンクーバーは多種多様な街です。たくさんの人種が住んでいます。育ってきた環境 や文化、肌の色が違うだけで、私たちにそれ以上の違いはありませんし、他の動物と同じ、地球上に住む同じ生物です。そんなことをあらためて感じさせてくれ た研修でした。 

小山 真由美


3月18日、木曜日、オアフ島に着いて二日目は、 島内の病院にて指圧のボランティア。病院で働いている職員さん達の希望者全員にチェアーでの指圧を行いました。開場するとすでに待っている人たちの列がで きていて最後までほぼ途絶えることがないくらいの盛況ぶりでした。ハワイみたいな温暖な地域で暮らしているとリラックスしている人が多そうだぁと思ってい ましたが、そこは職員さん対象なのでお仕事等々で首や肩のあたりがとてもはっている方ばかりでした。指圧を始めて受けたのがちょうど1年前の同じボラン ティアの時でとても気に入ったから今年もまた受けれるのを楽しみにしていた!!と、私が担当しただけでも数人からいて、指圧を広めるって何か賞品を売り広 めていくのとは違って本当に人から人に伝わっていくものなんだなーとあらためて実感しました。今回は約2時間半で400人近くの職員さんに指圧をすること ができたようです。学校以外の場所で何度かフィールドワークでチェアー指圧をする機会はありましたが、こんな広い場所で大勢(60人くらい?)でいっせい に指圧をするのは今回が初めてでした。私達カナダから6人の生徒と清先生、ハワイ愛泉指圧学校、そして大半が東京の日本指圧専門学校から集まり、このボラ ンティアの合間に指圧を”共通語”にコミュニケーションができたのもいい機会だったと思います。
翌日は終日自由行動でオアフ島を探索し、20日土曜日、21日日曜日の二日間はハワイ大学にて人体解剖研修に参加しました。もちろん私にとって今回が人生 で初めての人体解剖です。
人間の体の解剖というと、私にとって、骨や筋肉は人災に皮膚の下をのぞいたことがなくでもまだなんとなく想像ができるのですが神経や皮膚の層ってどんなも のなんだろう?人体をより知ることでもっといい指圧ができるようになりたいと思ったのが参加したきっかけです。
当日は私達も用意された手袋、マスク、帽子、エプロン、靴のカバーを常時身につけ、検体してくださったことに黙祷しお祈りをして研修を開始。今回用意され た検体は4体、それぞれに二日間の解剖を指導してくれる先生と東京からの学生に日本語通訳するアシスタントの先生、そして学生が12~15人位で1チー ム。私達の検体は、61才のハワイ出身、腎臓がんの疑いで手術をすると実は肝臓に腫瘍があり亡くなった白人男性。なくなってから数ヶ月の間、薬品につけら れているので皮膚は黄色身を帯びています。担当の先生ケリーの指示のもと、まずは仰向けにしてある検体の上半身の中心を胸部から腹部にかけて切り開いてい きました。さっそく切り口からひふの断面が見え、層になった脂肪があらわれ始めました。それから私たちにも少しずつ慣れていくにしたがって実際にメスをに ぎり皮膚を切り開いてその下にいくつも層になっている筋肉、骨、そして靭帯や腱をまのあたりにしました。それらの間をぬうように神経が体の末端へ向かって 走っている様子も見る事ができました。時々スチューデントクリニックの施術で押す全身のポイントを思い浮かべながら実際私たちが指圧で押している場所の皮 膚より下には何がどうなっているのかとても興味をもちながら参加することができました。また、人体はどれも全く異なるから違いを見るのはすごく勉強にな る、と清先生からきいていたので他の検体も時々合間をぬって見学すると、もちろん生前の体型や生活における嗜好、死因等々で皮膚の層、臓器の大きさや色が ここまで違うものなのかーとびっくりさせられました。一生を通してその人の生活習慣そのものなんだと思いました。解剖の合間にはいくつかのレクチャーも織 り交ぜられ普段の勉強とはまた違った方法で体の各組織の関連性を体系的に学ぶことができとても良かったと思います。
研修中に興味深く指導してくれた先生、アシスタントの方々はもちろんのこと、指圧を学ぶ私達にこういった人体解剖研修に参加するチャンスを作ってくれたハ ワイ愛泉指圧専門学校の先生と期間中お世話になったスタッフの方みなさんに感謝します、ありがとうございました。ハワイの温暖で美しい太陽と青空の下で指 圧と一生にまたとない解剖研修に参加ができとても充実した滞在になりました。

西塔 香奈子


ワイキキにあるクアキニ病院での指圧ボランティア、日本そしてハワイの指圧師の方々との出会い、これらの素晴らしい経験をとおし、指圧で人々を癒す事がど んなに素晴らしい事かを再認識しました。
指圧ボランティアをとおし、医者や看護師さんのように長時間の稼動を余儀なくされる方々の体はとても疲れているように思え、こういった方々にはくつろぎが 必要なのだと痛感しました。3時間で約10名の方に一人15分から20分間の指圧を提供するのは、体力的には容易なことではありませんでしたが、指圧 後にクアキニ病院スタッフの笑顔を見ると本当に嬉しく思いました。
私達は既に、解剖学や生理学の知識を授業などで習得しています。しかしこのハワイ解剖学研修では、学校での座学では到底学ぶ事が出来ない、様々な事を習得 する事ができました。まずはじめに、この研修に検体された故人へ感謝、またこのような機会を与えてくださった日本指圧専門学校及びハワイ大学のスタッフの 方 々への感謝すると共に、この機会に参加できた自分自身をとても幸運に思います。解剖学研修を経て、筋肉、血管、神経、内臓器官などの構造を理解する事で、 指圧がどのように人体を刺激し、なぜそれが効果的であるのかがよくわかりました。
日本やハワイで指圧を学んでいる学生や指圧師の先生方と出会い、お互いに指圧をし合い、そして指圧師の先生方の経験談などを聞く事ができたのも忘 れられない思い出の一つです。私自身、指圧を学び始めてまもなく1年が経とうとしています。私の指圧技術がまだまだ完成されたものではありませんが、この ハワイでの経験は、今後、自分の指圧技術を 向上し続けていこうという思いを維持してくためにはなくてはならない経験であったといえます。

Guillaume Nogue


ハワイの街並み、今回の解剖学研修へ参加できた 事、またその設備の素晴らしさ、どれもが本当に素晴らしい経験でした。クワキニ病院で行われた指圧奉仕活動 も大切な思い出の一つですが、何より解剖学研修に参加できるという事は一生涯を通してまたのない機会だと思います。その設備やスタッフの方々からはプロ フェッショナルな雰囲気が伝わってきて、人体を外観上からだけなく、その内部の隅々まで学べた事は、私にとって指圧の技術を向上するための新たな手がかり となりました。
この研修に参加でき、また日本やハワイの指圧師の 先生や学生と出会えた事に心より感謝いたします。ありがとうございました。Mahalo!!

ス コット・ラザノフ博士と清先生 ハ ワイ愛泉指圧専門学校校長・因泥文彦先生(左)、日本指圧専門学校理知長・浪越和民先生(中央)、同校校長・石塚寛先生(右) 今 回解剖学研修が行われたハワイ大学

ス ペイン日西指圧学院校長・小野田茂先生(中央)、日本指圧専門学校治療部主任講師・浪越雄二先生(左)を囲む
カナダ指圧カレッジメンバー
カ ナダ指圧カレッジメンバー、左から真由美さん、Guillaumeさん、利範さん、加奈子さん、Lonaさん、清先生、敏也さん 解 剖学研修終了証を手にする
カナダ指圧カレッジメンバー



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